今、数週間かかっていた曲が完成しました。
完成とは配信をあとするだけという状態で、プロダクトとして完成したことを指している。
今回は曲が仕上がってから、ミックス(各パートのボリューム調整)にさらに1週間かかった。
6タイプほど作っていくと、だんだん深みにはまり、終わらないのではないかと思った。
争点となったのは、ライブ感覚の迫力系にするか、スッキリさせた聞きやすいミックスにするかということだった。
最初はその間をとったのだが、そこに落とし込むのにさらに3MIX作った。なぜなら迫力がなくなると、この曲の魅力が半減する。少し中低域を抑えてアタック感を聞かせ、スッキリさせ、迫力のあるMIXに仕上がった。
聞きやすい音質は重要だ。
最近ではMIXした後、モニタースピーカー以外にスマホ、パソコン、TVで実際に再生して聞きやすいMIXを探っています。
そして、ヘッドホンでもチェックする。
モニタースピーカーで聞くといいものもスマホで再生するとゴチャゴチャに聞こえたりする。そこを再度調整して、どのタイプの再生機器でもよく聞こえるようにするのは重要だと思う。
あまり、迫力を重視して低音を強調したMIXにすると、スマホで再生するとこもって聞こえたりする。
どこで完成になるのかだが、今までの経験や直感ということになる。
音楽制作は、本来さまざまな人が入って作成されている。
インストルメントだと
①作曲者
②アレンジャー
③プレイヤー ギター
④プレイヤー ベース
⑤プレイヤー キーボード
⑥プレイヤー ピアノ
⑦プレイヤー ドラム
⑧レコーディングエンジニア
⑨マスタリング、トラックダウンエンジニア
⑩プロデューサー
単純に音楽と言ってもそれだけ10名の専門性が伴う。
また、レコーディングスタジオも必要、経費だけでもかなりのものになる。大型のスタジオなら1日50万ぐらいかかる。
今や、これだけのことを自宅スタジオでできるようになった。ただクオリティは上記のような専門群には勝てないのはわかっている。
しかしそのような予算はかけられるわけもないので、できるだけスタジオ感を出すために今回は私のスタジオであるe suite STUDIOでバンドサウンドのインストを作ろうと思った。
それもギターサウンド中心のトラックを作ろうと考えた。
私が弾けるのはキーボードだ。
キーボードから見てギターとはどういう魅力があるのかを追求しようと思った。
そして一人で上記の10名分の役割を行うというもの。
バンドは多くやってきたので、バンド感、ライブ感というものはやっていない人よりはわかることは多い。
バンドが出す迫力を一人で表現できるかが今回の大きな課題となった。
これは自慢したい訳ではありません、一人で作ってどれだけの迫力を出せるかを試してみたかったのだ。
まずリズムだが、これについては鍵盤でリアルタイムでの入力はやめた。
骨格はしっかりしないといけないので、リズムはステップで打ち込んだ。
一部のフィルやシンバルは手弾きで入れている。生の感じを出したかった為だ。
リズムパターンの素材は使わなかった。
少しマニアックな話になるが、ハイハットはあまり入れなかった。
これはクリントーンのリズムギターを入れたのだが、そこをしっかり出したいという考えからだった。
次にベース、これはシンセベースを手弾きでレコーディングした。
DX系のアタック感のある音色で、強く弾くとチョッパー風にもなるので、メリハリをしっかり出せるのもこの音色を選んだ理由です。
これはなぜ、手弾きかというと、ジャストのリズムにベースを手弾きを入れることによってグルーブ感が出る。
バンドサウンドというものは、そのバンド特有のグルーブ感がある。
微妙な遅れやジャストより前に行ったりすることは、曲をダイナミックな展開にすることも可能となる。
骨格となるリズムパートはかなりコンプレッサーをかけている。まずタイトにさせることが今回の曲には必要だった。
ピアノはJD-800のNo.53のピアノを使用した。
もう少し掘り下げると、数年前、サンプリングされた素材がネットに浮いていて、それをダウンロードし、使っている。
日本では小室哲哉さんがプロデュース全盛期の楽曲で多用していたので、なかなか使いづらい状況(私だけか?)でしたが非常にアタック感もある音色なので、今回のスピード性のある曲には合うと思い使用するに至りました。
今回のベース音色とも相性がよく、いいリフになった。
ギターは、クリントーンとリフは実際にギターを弾いています。
私のギターの腕前はとにかく下手です。しかしその荒い演奏を逆に利用しました。上手い人ならもっといいものになったと思いますが、ゴツゴツした雰囲気を出すことに成功しました。また数えきれないほど何回も弾きました。初めのクリントーンは成功するまで30回ぐらいかかりましたが、現時点では精一杯です。
最後にメインメロディのギターですが、これは鍵盤で弾いています。ここはキーボードをギターだと思い、自分なりのギターの解釈を出してみました。
かなり性能の高いソフト化されたギターエフェクターで音を作ったのですが、ギタリストではないので、使い方が合っていないかもしれないので、スティーブバイ等のレコードを聞いてサウンド研究をしました。
最後にタイトルを決めるのだが、一番好きな時間と言っていい。
OVERは使いたい単語だったので、そこからイメージを膨らませていった。
アイデアが出なかったら、本を読んだりして、発想を膨らませることもある。
そうして、OVER THE DREAMは完成した。
できたら低音の効くシステムで聴いてほしいと思います。
使用したのは
パソコン(i Mac)
レコーディングソフト(Logic Pro X)
入力midiキーボード(nektor panorama P6)
ギター(HIDE モデル)エフェクターはPC内のソフト系エフェクター
オーディオインターフェイス(UA-4)ギターレコーディングに使用
スタジオ(自宅スタジオ e suite STUDIO)
モニターはi Macの内蔵スピーカー
これだけでできてしまいます。すごい時代になりました。マスターテープもなしで、サウンドクラウドにWavデーターで記録していますので、メディアは使っていません。
サウンドクラウドは時間無制限に記録できるサーバーを契約しています。音質も無料のコースより良いと思います。
この9月最初の配信です。またご感想も聞かせていただければ幸いです。